レッスン・レポート 〜日常むけ編120分〜

プロローグ

ボイトレ教室と聞くと、役者や歌手の卵が行くものだと思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、実際には普通の職業をしている一般の方にも意味があるようです。

ここ、マンタこと河内麻里さんが講師を務める、【mantari庵Studio】でも、バンドボーカルや劇団・声優などの活動されている方向けのスキルアップレッスンのほかに、一般の方向けのレッスンを行っています。

そこで今回は、「調布!接客・会議・指示出し!スラスラ滑舌♪2時間集中〜ブラッシュアップ〜」を体験されたKさんのレッスンをご紹介します。

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カウンセリング…

まずはカウンセリングで、生徒さんが抱えている悩みや希望などを聞いていきます。

Kさんの悩みは、発声の仕方が悪いためか、話した後はのどが痛くなってしまうこと。以前、医師から一般的な人より喉の気道が狭いと言われたことがあるそうで、喋っているときに息苦しくなることもあるのだとか。

これを聞いたマンタ先生は、「一番問題なのは息をしていないこと(笑)」とズバリ!

すると、Kさんも「喋っていると緊張してしまって、いつの間にか息をするのを忘れている!」っと思い当たる節があるようです。

そして、Kさんは話をしているときの声が、喉の奥らへんから出ていて、それが普通だと思っていたけれど、「普通は、口から声が出ている」ものだと説明。

声の出る場所が他の人よりも奥にあるため、息苦しかったり喋りにくかったりしていたという、まさかの真実に驚きながらも納得したKさん。

原因がわかった所で、うまく呼吸をしながら正しい声を出すボイストレーニングのスタートです!

【2】基礎レッスン -まずは準備体操-

全身の力を抜いてリラックスして、声を出すために体内に意識をフォーカスします。

脱力

「声を出すには、まず脱力です。全身の力を抜くことからはじまります」とマンタ先生。しかし、「『力を抜く』と『気を抜く』はちがう」とのこと。

姿勢

力を抜いて正しい姿勢で深い呼吸ができるようになったら、空気の通る道を体内で感じるエクササイズです。腹式呼吸がラクにできるポイントを踏まえて、何度も呼吸を繰り返します。

腹式呼吸

息の吐き方がわかったら、お腹から声を出すときの「お腹ってどこ?」を理解するエクササイズです。声の通る道を体内でしっかりと感じたら、次のステップです。

体全体で大きな空気の輪を感じて、横隔膜を広げるエクササイズ。

発声

呼吸に乗せて、「お腹」を感じたまま、お腹に溜めた空気がなくなるまで、長~く「あーーーーー」と息を吐きます。

正しい腹式呼吸ができてくると、ロングトーンが本当に長くできるようになりました。Kさんも、「今までの声と全然違うし、喉が痛くない」とのこと。

発声練習2

「話す(歌う)ときは、アゴから口を開けるのが大切」というマンタ先生。

さらに日本語は、口角をちゃんと動かして子音と母音を上手に組み合わせないと相手に伝わりにくいのだそうです。「だから、テレビのアナウンサーはちゃんと口角を動かして喋っている」とプチ情報を添えながら、日本語と英語の違いや発音と発声の仕組みなどを説明しました。

これまでにレッスンした、脱力・正しい姿勢・腹式呼吸をキープしながら、口の形を「あ」「い」「う」「え」「お」にして、五十音順で発声練習をします。

口の開け閉じをきちんとしながらの発声練習は、意外と体力を消耗します。しかし、そんなことはお構いなしで、発声練習が進むにつれて徐々にヒートアップしてきました。Kさんの声も大きくはっきり出るように。

五十音の発声練習が終わると、教室内が達成感に包まれました!

「口の開け閉じが滑舌につながります。自分の思っている言葉をしゃべってても、口が動いていないと相手には何を言っているのかわからなかったりする」とマンタ先生。

Kさんは「口の形を作るのは意外と難しかったけど、楽しかった!やっと、ちゃんとした喋り方がわかった!」と満足した様子。

その後は、濁点のついた言いにくい五十音に移り、口の開け閉じを意識した練習を重ねます。

集中しすぎて、途中で力が入ってしまったKさん。レッスンを中断して、脱力をします。マンタ先生の「発音って、そんなに力を入れてするものじゃないから」というフォローを受けて、気持ちと意識を整えてから、再び練習スタートです!

【3】実践ー生活内で使えることー

続いては、いいにくい言葉・よく噛んでしまう言葉の発音練習です。

実は、自分の名前が言いにくかったというKさん。ほかには、住所や仕事上での挨拶言葉が出てきました。そのリストからは、Kさんのまっすぐな人柄や仕事に対する真面目な姿勢などがうかがえます。

五十音の発音練習でも、何度も引っかかった「さ行」「た行」の言葉を繰り返し、納得がいくまで練習します。


息詰まるたびに、マンタ先生からフォローとアドバイスが告げられ、Kさんも気持ちと姿勢を立て直して、正しい発音を目指します。


【4】レッスンを終えて

レッスンをする前は、自分は大きな声が出せると思っていませんでした。でも、教えていただいた正しい呼吸の仕方や発声方法を意識しながらやってみると、「アレ?」って思うくらい気持ちのいい大きな声が出たことに、とても驚きました。

今までと違って、息が吸いやすいですし、自然と正しい姿勢になっている気もします。

あと、呼吸をちゃんとするっていうのが、こんなに気持ちいいものだとは思いませんでしたね。

今日学んだことを普段の生活でもいかせるようにしたいですね!

【mantari庵Studio】では60分のショートコースもあります。回数や目標を自分で決めてじっくり学べるマンツーマンレッスンです。

声に関する悩みを持っているなら、ぜひ一度、【mantari庵Studio】のマンタ先生に相談しみてくださいね。

執筆協力:安倍川モチ子